「“ここ”ってどこなんですか」

秋16期モードの勝田香子です。

高川裕也先生の『ハードドキュメント』を受講しました。

まずは映像だけ事前に見せてもらいました。
先に原稿を渡すと[どう読むか]に走っちゃう生徒たちのことをお見通しです。
時間差で原稿をくださいました。
大自然や人々の営み。
どうする私。
今回私のポイントは、
・小さくならないこと
・逸見先生に教わったソフトドキュメントとは違う表現に挑戦すること
そして何より
・どうにかして“自分”のまんまで伝えること
でした。
練習を録音すると、説明になったり、わざとらしくなったり、
嘘の音が出てくるな、と感じました。
授業当日の朝は、とりあえず何も考えずに意味も無視して大声でいろんな感じで読んだり、
小泉今日子さんの独特のナレーションを聞いてから出かけたり、
一度自分から離れてみました。

さて、授業です。
ドキュメンタリーでは、基本的に事前に映像を見て、
作り手が何を描いて言いたいのかが映像の中に盛り込まれている。
(何が撮れて何が撮れていないのかも)
原稿に書かれていることを自分が言いたいか言いたくないかから始まる。
言いたくないかも考えないでただ書いてあるから言っている言葉とは全く聞こえ方が違う。
その関係性を作らないと、AIで済んでしまう。
今日読む箇所はこの作品の「前書き」のようなものなんだと解説をいただいてから、まずは全員読んでみる。
そして全員に向けてアドバイスをもらい、もう一度映像を見て自分の感覚を整理する時間をもらいました。
そのうえで、また全員読みました。
あら、不思議。
それぞれみんな変わった。
・意思とセンスと感性
・関係性を作る
・前書きで作り手の趣旨をどう表現するかの意思が必要
・自分が一番ここに感銘を受けたというものを持って伝える
・(聞く)対象をはっきりする

練習の時に、“説明”や“わざとらしく”感じた自分の読みが、
「あんたそんなこと思ってないやん」という嘘の声だったとわかってきました。
もっと素直でいい。
わからなければ、わからないなりの表現があると。

もう一つ、立ち位置について質問しました。
原稿の最後の文章に「ここは…」とあり、「ここってどこですか?」
高川先生の立ち位置は、テレビを見ている視聴者側の場所。
私は上から俯瞰で見ている、というぼんやりした感覚でした。
視聴者に向けてなら、「“ここ”じゃなくて“そこ”じゃないのかしら」と思ったのが浅はか、目から鱗が落ちました!!

さらに録音したものを聞いてみると、
自分が思っていた以上に、まず声が違う…
授業の時は言語化できなかったけれど、おそらく自然にやろうという不自然を作ってしまったような感じです。
授業の中で、高川先生がおっしゃっていた「内側の部分」を変えたらどう変わるかということだと思います。
“感じです”とか、“思います”とか…これはまだまだ練習が必要です。
意思とセンスと感性です。
それを鍛えるには1000本ノック、というワードも出てきたので、やるしかない!