残暑とは言い難い暑さが続く今日この頃。
さらに、ここは熱帯かと錯覚するような豪雨まで襲ってくる日本列島。
そんな中、襲い来る湿度と孤軍奮闘していた除湿機が沈黙。
「今、お前が一番輝く時だろう」と声をかけても、無反応。
新しい除湿機を迎えるのか、このまま湿度の猛攻を耐え忍ぶのか。
我が家はいま、静かな決断の時を迎えています。
20期・春コアの杉田です。
さて今回は、藤本先生による「情報の多様性」の授業を振り返ってみたいと思います。
厳しくも温かく教えてくださる藤本先生の授業も、今回で今期最後。
先生ご本人はいつも通り和やかな雰囲気なのですが、生徒側はどこかいつも以上に緊張気味。
冒頭、先生はバーズで学ぶ期間は本当にあっという間だと話されました。
学び始めた頃と比べ、それぞれに変化が出てきた今だからこそ、
改めて「17か条」を思い出してほしい。
とのことでした。
続いて先生は、昨今の情報番組について触れました。
最近はニュースであっても、ワイドショー的な見せ方が増え、情報そのものがエンタメ化している。
スポーツ、ニュース、バラエティなどを明確に分けて読むのではなく、ジャンルをまたいで対応できる総合力が求められているとのことでした。
そこで今回の授業の目的は、
技術を底上げし、原稿の流れや起承転結さえつかめれば、どんな題材が来ても怖くないことを知ること。
そして、
今日の授業は「情報番組のオーディション」だと思って取り組んでほしい。
と告げられました。
一気に緊張感が増します。
事前にいただいていたのは、ジャンルの異なる4つの原稿。
それらをオーディションのつもりで連続して読み進めていきます。
求められるのは、
自分ならどう読むか
テレビらしさを出せているか
今の自分にできることを最大限出せているか
さらに途中から義村学長も見学に入り、教室の緊張感はもう一段階上がりました。
こちらとしては平静を装っていますが、内心はまあまあ忙しいです。
ディレクターやプロデューサーは、その人がどこまで違う表現を出せるのかを見ています。
だからこそ、自分の持っている最大限の振れ幅を出すこと。
が重要とのこと。
ただし、無理に自分にないものを作るのではありません。
あくまで、
自分の中にある大きな表現を出す。
その上で、
引っかかりのある強み、選ばれる読みを作る。
ことが必要だと教えてくださいました。
オーディションになると、
「ここで目立とう」
「こんな表現を入れてやろう」
と、つい欲が出ます。
しかし先生曰く、
人間は欲の生き物。
ああしよう、こうしようと考えすぎると、急に作為的になったり、噛んだりする。
だからこそ、
今持っているものを大事にする。
普段から自分の表現を磨いておかなければ、本番だけ急にいいことをしようとしても、なかなかうまくはいかない。
オーディションの日だけ突然変身しようとしても事故るようです。
今回、個人的に最も印象に残った言葉が、
自分の常識を疑え。
私たちは当然、自分が「良い」と思っている表現を選びます。
でも、自分にとっての「良い読み」が、必ずしも外から見て良いとは限らない。
むしろ、
自分が常識だと思っていることほど、疑ってみる。
くらいでちょうどいいのだそうです。
時には、
ナレーションを違う言語だと思うくらい、やり方を変えてみる。
自分が持っているものを一度捨てることも、ミラーリング。
と仰いました。
つい自分が得意な流れ、自分が好きな読み方へ寄せてしまう。
これは私自身にもかなり心当たりがあります。
ミラーリングとは、ただ真似をすることではなく、
自分の癖を一度脇に置いて、別のやり方を身体に入れること。
なのだと改めて感じました。
余裕を作るには、少しいい加減になる
読みに余裕がないときについても、面白いアドバイスがありました。
映像を見ながら、別のことを考えられるくらいのいい加減さがあってもいい。
もちろん、本当に適当に読むという意味ではありません。
すべてを必死に処理しようとすると、頭の中がいっぱいになってしまう。
少し余白を作り、
脳に隙間を残す。
そうすることで、映像や演出へ反応する余裕が生まれるとのことでした。
一生懸命やりすぎて余裕が消えることがある自分には、これもかなり刺さる言葉でした。
バーズでは、現在実際に番組を担当されているナレーターの方々が講師をされています。
当然、それぞれの先生が、
自分が良いと思うもの
を教えてくださいます。
しかし藤本先生は、
教わったことを全部そのまま飲み込む必要はない。
と仰いました。
一度自分の中でかみ砕き、
実際にオンエアされている番組を見て、
「これは自分に必要だ」
「これは今の自分には違う」
と判断していく。
何を取り入れるかは、
自分の美意識。
そして、
何を選ぶかはセンス。
自分で課題を見つけ、自分で研究する
今回の授業では、一人ひとりにかなり時間をかけてフィードバックしてくださいました。
技術面だけでなく、
これからどう学んでいくか
という考え方についても丁寧に教えてくださいました。
自分で課題を見つけ、
どうしたら解消できるのかを考える。
結局、本番で出るのは、
普段からやっていることだけ。
だからこそ、
失敗してもいいから普段の練習で大胆に試すことが大切なのだそうです。
先生は、
テレビを「ナレーターを目指している人の視点」で見てほしい。
とも仰いました。
ただ番組を楽しむだけではなく、
なぜここでこの読みなのか
なぜここに間を置いたのか
なぜこのトーンなのか
映像とどう組み合わさっているのか
を考える。
そして最後は、
自分で答えを出す。
ことが重要です。
見学されていた義村学長からも、フィードバックをいただきました。
その中でも印象に残ったのが、
できないことを知っていくことも大事。
という言葉です。
何でもできるように見せるのではなく、
自分に何ができて、何がまだできないのかを理解する。
そして、
自分の一番いいところを出す。
ナレーションでは、その人が持っている一番強い声が選ばれる。
という言葉も非常に印象に残りました。
部分を積み上げても、全体にはならない
授業の最後、藤本先生から改めて言葉をいただきました。
常に課題を持って取り組んでほしい。
そして、
課題に対して、どうやって解決するかを考えることが大事。
ボイストレーニングも大切。
技術も大切。
滑舌も表現も、もちろん必要。
しかし、
部分をどれだけ積み上げても、それだけでは全体にはならない。
一つひとつの技術や考え方が合わさって、初めてその人のナレーションになる。
だから、
迷ったら17か条を思い出す。
最初に教わったことへ戻り、自分が今どこにいるのかを確認する。
とても重く響く言葉でした。
最後に
今回の授業を通して強く感じたのは、
自分の「正解」を疑い続けることの大切さです。
オーディションでは、振れ幅を見せる。
ただし、無理に自分にないものを作らない。
教わったものをそのまま飲み込むのではなく、自分の美意識で選ぶ。
自分の癖を一度捨て、違う表現も試してみる。
そして、できないことも含めて自分を知り、
自分の一番強いものを磨く。
自分で課題を見つけ、自分で研究し、自分で答えを探していかなければなりません。
迷ったら17か条へ戻る。
そして、自分の常識を疑う。
この二つを忘れず、これからも表現の幅を広げていきたいと思います。
藤本先生、義村学長、貴重なご指導をありがとうございました!