達人の境地 – Mina

こんばんは。秋16期モードのMinaです。
急に空気が冷え込み、布団の温もりがより一層愛おしくなる今日この頃。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今回のレッスンは、あおい洋一郎先生の「旬の実技」
課題は、新番組の宣伝を兼ねたクイズコーナーのアバン。
「バラエティらしい」構成の原稿で、一人ずつ表現をみていただきました。

私は「盛り上げたい!」の一心で、やや張り気味の表現を持っていきました。
結果、先生からいただいたお言葉は「かかっている」

お芝居やお笑いなどで、演じ手が前のめり過ぎて、観客がついて来られなくなる状態などをそう表現したりするのだそう。

あおいさん曰く、これではディレクターさんのOKは出ても、視聴者は力んでしまうだろうとのこと。
確かに、私はいっぱいいっぱい。全力で喋っていました。

コアの授業で、「70〜80%くらいの力でナレーションするのが丁度よい」と教えていただいたことを思い出し、反省です…!

とはいえ、難しいのは取捨選択。
どこを抜いて良くて、どこを抜いてはだめなのか。

「力まない」「わくわく」「軽快」この辺のバランス感がまだ難しいと感じています。

この「バランス」関し、あおいさんは

「森を理解するんだよ」
「『変な枝見つけた!』と安易に飛びつくのはだめだよ」

と、仰っていました。何度も振り返って理解を深めたくなるような、味わい深いアドバイス。

全体を俯瞰することの大切さ。ちゃんと自分に落とし込めるようにしていきたいです。

最近、日本画の巨匠、竹内栖鳳氏が残した言葉を目にする機会があり、
まさにあおいさんが仰ったことに通じると感じました。

「日本画は省筆を尚ぶが、充分に写生して置かずに描くと、どうしても筆致が多くなる。」「写生さえ充分にしてあれば、いるものといらぬものとの見分けがつくので、安心して不要な無駄を捨てることができる。」

森を理解する意識で、ナレーションのコピーを繰り返して、そぎ落とすべき表現が何かを学んで行くことが大切。
あおいさんと竹内氏、二人の巨匠が教えてくださった、今週の私の大事な学びです。

そういえば、武道でも、達人は力が抜けていますよね。
日本画も、武道も、ナレーションも。達人や巨匠と呼ばれる人々はきっと、本質的に必要なものが何かを見極められている。
そしてそれが、絶妙な「抜き加減」に繋がるんだろうなと、ふと思いました。

達人になるにはどれほどの道のりがあるのか…
日々一歩でも近づけるように、今日も練習に励みます。

秋16期 モード
Mina