バーズ推薦V・中国のドキュメンタリー

水曜モードの復学Mです。
先日のアフターバーズにて…
プロレスの話から、世界のドキュメンタリーがおもしろい!という話になり、学長オススメの『中国のドキュメンタリー』映像をお借りしました。

学長「バーズブログに感想アップしてね(^^)」
とのことでしたので、
僭越ながら、感想を書かせていただきます…!

(以下、ネタバレを含みますので、フラットな気持ちで映像を見たい方はDVDからどうぞ…!)

それでは、あらすじからまいります~
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【概要】
《民主主義~世界10人の監督が描く10の疑問~》

「真の民主主義が、この世界のどこかに存在しているのか。」
民主主義の根本から問い直す、異なる文化のさまざまな考えを伝える世界中のドキュメンタリー集。
世界中から500本の映像が集まり、3年かけて10本に厳選された。

その中から今回は中国。いわゆる西洋型の民主主義は全く存在しない国。
そんな中国のある小学校が舞台。
教育の一貫でクラスのリーダーを決める選挙をこどもたちの投票で実施。
演説会、ディベート、スキャンダルの押収、親や教師を巻き込んでエスカレートしていく。
民主主義が存在しない場所だからこそ見えてくるもの。選挙とは何なのか。

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【感想】

衝撃の嵐でした( ̄▽ ̄;)

まず、これがわずか十数年前の隣国の、本当にノンフィクションであることに衝撃。まるで映画のように、出てくるわ出てくるわ、はっきりとした人間の醜い部分と、人心の変遷…(ある意味、やらせであってほしいと願うくらい…)

国の違い、文化の違い、国民性の違いがあるのに加え、子供(小3)ならではの、ギャングエイジ特有のヤンチャさと、群れ感と、無邪気さ故の残酷さ(だからこそ「人間」の持っている”本能のひとつ”がむき出しに現れているのでしょうが)…が、こんなにもカメラに収められているという衝撃。

相手の悪口(時に嘘)を過剰に言って、陰で囁いて、民意を集める…民意を操作する…これは8~9才という子供だからこそこんな無邪気に残酷に出たのかもしれませんが、(それを黙認する先生にも疑問でしたが( ̄▽ ̄;))これは《人狼ゲーム》にも似てました。いかに相手を陥れるか…人心を操作するか…

シーソーゲームで進む選挙戦…しかしなんと選挙の最後のスピーチでは、候補者の一人が親が用意してくれたプレゼントをみんなに配り、その子が圧勝。負けた二人は大泣き、ラストは勝った委員長が権力を振りかざして終わる…という衝撃のラスト。 この子たちが健全な心で育ってくれますように…と、日本の母ちゃんの一人である私は願ってやみません(;つД`)

見終わった後が衝撃過ぎて、オープニングに戻って、そのオープニングに納得しまくりました。そう、これは、番組を撮った監督が投げ掛ける《疑問》だった。 「真の民主主義が、この世界のどこかに存在しているのか。」
『いわゆる西洋型の民主主義は全く存在しない国で、民主主義が存在しない場所だからこそ見えてくるもの。選挙とは何なのか。』
…このオープニングにちょっと安心して…

…と、そのあと、気づきました。
「あれ?このとんでもないスキャンダルだらけの『こども選挙戦』…『大人の選挙』では、実はどこの国でもあることじゃ……」

それに気づいて、うわっ、この監督すごい…!と思いました。
大人の《リアルな選挙》では、こんなスキャンダルは表沙汰にはできないことばかり。
でも、もしも『大人の選挙』でもドキュメンタリーを撮ったら、同じようなことがあるのでは…
大人の《リアルな選挙》のドキュメンタリーは撮れないけど、この中国という、一見《いわゆる西洋型の民主主義は全く存在しない国》の《こども》のえげつない競争選挙ドキュメンタリーを撮ることで、暗に、『実際(民主主義の)大人の選挙でも、どの国でもあるよね?』と提示している…

うわー、深かった、、、

「海外のドキュメンタリーは人間の本質をついていて面白い。」

と言われた学長の言葉の意味が、鋭く胸に刺さりました。
なるほど…綺麗事だけじゃない、上部だけじゃない、人間の本質を捉えるドキュメンタリー…
《事実は小説よりも奇なり》という言葉を思い出しました。
恐ろしいほど小説のような展開でしたが、これは現実だった…。

海外のドキュメンタリー、ぜひご覧ください~!