考えている暇はない!怒涛のVO千本ノック

こんにちは、声ナレクラス、小津ミワです(^^)。
今回は狭川さんの「怒涛のVO」でした。本当に、怒涛でした。自分の中にある声のバリエーションでとにかくあてる!違う声でしゃべる!時間がある限りしゃべる!という、VO千本ノック。原稿は前回のレッスンでもらっていたので、自宅で事前に練習していたのですが、実際に映像を見てみると、しゃべるスピードや周りの音、その人の見た目など、いろんな要素に惑わされて、しゃべる瞬間に自分の気持ちがぶれそうになります。文章の内容を把握することは大事ですが、どんな人となりかを想像しておくことはあまり意味がないなと思いました。やはり、必要なのは瞬発力。そもそも、原稿を事前にもらえることなどほとんどなく、映像も初見が当たり前の現場。このテンポで打ち返すことが求められるのだと実感しました。

課題も多めに用意されていたので、ほぼ全員初見であてるレッスンができました。一度映像を見たらなんとかなるかな…とも思ったのですが、難しかったのは「映像とセリフの尺を合わせる」こと。そんなに合わないことがあるのか…!と思うくらい…足りないんです、文字が!前の方がそれでハマっているのを見ていたので「このフレーズは尺長め」と注意書きしていたにも関わらず、まだ合わない。自分のセリフが終わってもまだ映像の人はしゃべり続けている。アテレコを経験していると、映像の中の人がしゃべっている間はどうしても自分も何かしゃべらないといけないんじゃないかという強迫観念にかられてしまい、与えられた文字を早々に消費してしまうのが癖のようです…。原稿が長くて尺に収まらない場合セリフをカットすることはありますが、じゃあ足りないから文字を追加してもらえばいい、ということにはならないそうで、特にVOの場合、作家さんがちゃんと内容を考えて英訳を書いているので、安易に追加して意味や内容が変わってしまうと問題になるため、難しいとのこと。…な、なるほど!ここでバシッと合わせてこそ、重宝されるナレーターになれるのだな><;と思いながらも、足りないものを埋めるのはやはり難しい。ポイントとしては、セリフの途中でかなり間が空いても映像としてはそれほど違和感はないので、思い切って途中で間を取りお尻を合わせること。VOで優先すべきは、間を埋めることではなく終わりを揃えることなんですね。

あともう一つ大きな特徴としては、原音を聞いてしまうこと。映像の中の人の原音を聴いてしまうと、なんとなくそれっぽい音を不意に出そうとしてしまうのが癖のようです。が!そんなことをしていては見た目と声質が似た人が連続で現れた瞬間に、詰みます。だからこそただただ機械的に演じ分ける。

何よりこのレッスンで一番思ったこと。家で練習しても、実際の現場では同じことはまずできない!!!誰も見てない状態でやって「結構いいんじゃない?」なんて悦に入っていても、現場ではその半分の力も出ないのが普通。緊張やら欲やら、いろんなものが滲み出る。思い通りにできない。しかし、それが実力(泣)。その現実を受け止めつつ、今日も一人こっそり練習します。「アイツはク●野郎よ!」と普段言えないセリフを、自宅で叫びます。だって、やらないと上手くならないんだから。