インパクトブルーの彼方に

ライトアップされた夜の観覧車の、ひとつだけ色の違う照明が好きだ。
観覧車全体がピンクのライトアップなのに、たった1本だけ青色のまんまのやつが混じっている、そんな照明を私はいつも目で追ってしまう。

目で追ってしまうような印象強さを、なんだか気になってしまう魅力を、ナレーターをやる上では持っていた方が良い。
「バラエティの基本」の授業では、バラエティ番組での読みのあれこれはもとより、そんなポツンと色違い照明的な(観覧車の場合はある種の不具合だけれども)印象強さの大切さも教えてもらった。
堀場先生いわく、レッスンに犬を連れてくるくらいのインパクト(実際に連れてきたらソッコー拒否だそうだけど)があっても良いらしいとのことで、もちろんそれくらいのインパクトを残すという気概は、原稿を読む上でも必要なことだ。

数ある中で自分を選んでもらうにはどうするか。
そもそも題材選びの時点で、色違い照明的な個性や印象に残るものを選べるか。

そして、どんな読み方をしたらより印象強くなるかということを考える上で、今読んでいる原稿がどんな番組のどんな場面で、どういう画変わりがあるかまで想像する力が必要なのだ。
私は課題の原稿を読んだ時、バラエティだから楽しい感じで・・・、明るい感じで・・・くらいしか考えつかなかった。
しかし実際には、どんな時間帯に放送され、どんなテイストの番組なのか、この場面では演者のこんな映像が流れて、ここでこんなイラストが出てきて・・・と、仕上がりを想像することで、具体的なプランを考えられるのだ。

煎餅をかじりながらゴロゴロしていた視聴者だったけれど、読み手はそうもいかない。
そんなことを考えながら再び煎餅をかじる、今日この頃である。

米に生かされている 土曜コア 大島