池谷なりの現場報告記

いけうにこと、池谷広大です。
先日、初めてNHK
さんの「あさイチ」という番組で、「生ナレーション」を体験してきましたので、その時の自分の心境、そして他の現場がどういうものでそれぞれどう違うのか、それを報告しようと思いました。まず全てにおいてバーズの皆さんのおかげであり、大変感謝していることを先に申しておきます。
生ナレのお話を頂いてから本番までとにかく緊張の日々でした。基本がネガティブな性格もあって、失敗してしまうイメージばかりが頭の中を覆い尽くしました。不安をぬぐいたいが為に練習をしていました(その段階ではただの悪あがきなのでしょうけど)でも幸いなことに私の周りには生ナレを経験している人がいて、色々と相談に乗ってもらえたのです。そして何よりも力になったのは同じ現場だった都さんの明るい笑顔です。周りの空気を明るくする都さんのオーラは見習いたいものです。
技術的なことで言えば、生ナレでは当然ながらリハはしっかり行ないます。今回はわざわざ映像まで下さったのです(とはいえ新鮮さを失いたくないので軽い確認程度にとどめておきましたが)この点がバラエティの世界と大きく違うのかもしれません。バラエティではほとんどが「テス本(テスト本番)」一発で行なわれていくので、いかに映像に合わせて、いかに最高の表現をするかを「瞬発力」でこなさなければなりません。
生ナレの特徴でしょうか、タイムコードなしでいかに決められた秒数内(ナレ尺)に収めるかということも難しく、とはいえ題材(今回は重い精神病患者にも漢方の効果が期待できるというもの)に適した表現で映像に当てはめていくかを考えなければなりませんでした。もちろん、噛んでしまう恐怖も大いにありました。でも、不思議なもので声を出した瞬間から緊張が少しずつ緩んできたのです。おかげで声に緊張は出ていなかったかと思います。尺を少し余らせた、やや読みが幼い感じだったなどいくつも反省点はありますが、無事に終えることが出来ました。
ちなみにバラエティのナレーションでもそれぞれの現場で違うことが求められています。フェルナンデスではテンポよく煽って煽って、おどおどオードリーではとにかくフラットに読むことを求められています。それは決してどちらが良いとかではなく、その番組を作っているディレクターや演出などの求める方向性や好み、視聴者層や時間帯の違いなのでしょう。自分はその方向性を即座に理解し提示する、時にはちょっと外してみる(採用されることはまれですけど)スタッフさんと一致団結、チームとして作り上げていくような感覚です。
それぞれ違う現場ではあるものの共通して痛感していることは「基礎力はいつまでもついて回る」ということだと思います。ベストのプレイを維持するためにちゃんとした発声や、滑舌、イントネーションなどなど…。そこでつまずくことが自分を苦しめる足かせになってしまうと思うのです。完璧なんてものはあり得ませんが、僕はいまでも完璧を目指したいと思っています。表現と基礎は両輪で、バランスがとれているからこそコントロールできると思います。
でも最終的には「ナレーションを楽しむこと」だけは忘れたくありません。いつまでも「役者バカ」ならぬ「ナレーターバカ」であり続けたいものです。
乱筆乱文失礼いたしました。
池谷広大

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