かっこいいナレーションはストレートから始まる。

ついに7月に突入しました。
今年も残り半年。
年齢を重ねるたびに、一年の再生速度が1.25倍、1.5倍……と上がっている気がします。このままだと年末まで体感3週間くらいになるのでしょうか。 20期・春コアの杉田です。

さて今回は、墨屋先生による「フラットストレート1」の授業を振り返ってみたいと思います。

授業の冒頭、先生から今回のテーマについて説明がありました。
前回は「声」という楽器そのものを整える授業でした。
今回は、その楽器をどう弾くか。

墨屋先生が私たちに身につけてほしいと仰ったのは、
上げ下げせずに、まっすぐコントロールして読む技術。
一見簡単そうですが、実際にやってみると、これが本当に難しい。

だからこそ、ナレーターとしての土台になる技術なのだと教えてくださいました。

事前にいただいた情報ナレーションの原稿を読みながら、墨屋先生はさまざまな角度から丁寧に説明してくださいました。

ストレート読みで一番大切なのは、
自分だけが気持ちよく読まず、聞いている人を置いていかないこと。

ナレーションは情報を届ける仕事。
情報番組であれば、売っている商品は「情報」です。

だからこそ、
独りよがりにならない、
ストレーションナレーション技術が大事だと教えていただきました。

うねりは違うニュアンスを生み、助詞を強調しすぎると幼い印象になってしまう。
目的に向かって、最後まで設計通りに読み切ることが重要とのことでした。

今回、何度も繰り返し仰っていたのが、
語頭は絶対に引き算しない
ということです。

文章の頭は、聞き手にとって聞き取りづらい場所。
だからこそ、最初の一音でしっかり注意を引く必要があります。

聞き手にとって自然に聞こえるナレーションを作るためには、文章の読みの設計がとても重要なのだと学びました。

そして、ストレートは筋トレ
このたとえが非常に印象的でした。

墨屋先生曰く、
ストレートは重いものをゆっくり下ろす筋力トレーニングのようなもの。
常に負荷をかけながら、自分が設計した通りにコントロールして読む。
ストレートには体力も集中力も必要です。
特に語尾まで意識を切らさず読み切るためには、かなりの体力が必要になるとのことでした。

ストレート読みは何もしない読みではありません。
むしろ、引き算の技術。
ストレートという土台があるからこそ、
バラエティでアクセントをつけたり、特徴的な語尾を使ったりすることが生きてきます。

逆に、ストレートができないまま表現を足してしまうと、
無意識のクセまで乗ってしまい、まとまりのないナレーションになってしまう。
だからまずは土台を作ることが大切なのだと感じました。

「大切」を大切に読まない
これも非常に印象的でした。

大切なものを、大切じゃないように読む。
ナレーターが勝手にニュースや情報を加工しない。
ストレートだからこそ生まれる格好良さがあるというお話に、とても納得しました。

授業の中で心に残った言葉があります。
「違和感は学び。」
ストレート読みは、話し手にとってはとても苦しい。
でも、聞き手にとっては、心地よい。

最初は読みづらくて当たり前。
その違和感こそが、新しい技術を身につけようとしている証拠なのだそうです。

最後に先生は、
上手い人のナレーションを
聞いて聞いて自分で録ってみて聞き返す
この繰り返しが大切だと教えてくださいました。

そして時間いっぱい、私たち一人ひとりの質問にも丁寧に答えてくださいました。

今回の授業を通して感じたのは、
ストレート読みは「何もしない読み」ではなく、
聞き手のために緻密にコントロールする高度な技術だということでした。

話し手にとっては苦しい。
でも、その苦しさの先に聞き手の心地よさがある。
そして、その違和感こそが成長の証。

今はまだぎこちなくても、この「違和感」を楽しみながら、ストレートという土台を少しずつ身体に染み込ませて心地よいナレーションを目指していきたいと思います。

墨屋先生、貴重なご指導ありがとうございました!