初見に強い、自然な良い声でナレーションをする方法

「社会のナチュラルは信用するな」
普段使っている日本語についても、深く考えるようになりました。

梅雨が来る前に真夏日、そこから急に梅雨モードへ逆戻りのようですね。
身体が季節に完全に振り回されております。
20期・春コアの杉田です。

さて今回は、墨屋先生による「ナチュラルボイス」の授業を振り返ってみたいと思います。

授業冒頭、墨屋先生が投げかけたのはこんな問いでした。

「あなたはF1レーサーになりたいのに、筋トレするの?」

もちろん筋トレも必要。
でも本当に必要なのは、
・車を知ること
・エンジンを知ること
・車体を理解すること

ナレーターで言えば、
「身体」と「呼吸」を知ること。
つまり、自分という「楽器」を理解することが大切だということでした。

声の正体は「空気」
声の始まりは肺。
肺に入った空気をどう使い、どう響かせるか。
その前にまず、
「自分がどう呼吸しているか」
を知る必要がある。

ここで登場したのが、
ペットボトルとストローを使った呼吸トレーニング。

これが見た目以上にキツい。
この練習で鍛えるものは
・空気を吐き切る力
・一定の呼気
・瞬間的な音圧
つまり、ナレーションの「エンジン部分」を鍛える練習です。

先生曰く、ナレーターにとって深い呼吸は万能。
・上ずらない
・声に説得力が出る
・緊張しづらくなる
・集中力が上がる

さらに、深い呼吸は副交感神経を優位にし、リラックス状態を作れるとのこと。
つまり、良い呼吸=良い現場メンタル

ナレーターは「プレイヤー」と「楽器」が一体化した存在
・身体の軸
・可動域
・姿勢
も重要。
先生に教えていただいた簡単なストレッチだけで、一気に可動域が変わる生徒もいて驚きました。

そして核心の「ナチュラルボイス」
ここから授業は一気に深い領域へ。

ナチュラルボイスとは何か

先生曰く、
ナチュラルボイスは「地声」ではない。
ナチュラルに出す声ではなくナチュラルに「聞こえる」声

つまり
「伝える」ではなく「伝わる」
「姿勢を良くする」ではなく「姿勢が良い」
第三者から見て自然に感じるもの。
それが「ナチュラル」。

ナチュラルは「作る」これも印象的でした。
本当に自然にナチュラルにできる人は少ない。
だから、鍛えて作っていく。

そして、
鍛えれば地声も変わる。
良い声は「息をすれば出る状態」にあることが理想。

楽器(身体)が整えば、
・どんな音を出そう
・どう響かせよう
を考えなくてよくなる。

その分、表現に脳を使える。

つまり理想は、
「息をすれば良い声が出る状態」

ここで実践。
文意が後ろに全部かかっていく文章を、まっすぐ、なだらかに読む

これがとても難しい。

意味を乗せたくなる。
抑揚をつけたくなる。
でもそれをやると、「ナチュラル」から離れてしまう。

「自分のナチュラル」は信用するな
先生の言葉でかなり刺さった部分です。
自分がナチュラルと思っているものは、案外ナチュラルではない。

周りがそう言っている(使っている)からといって、本当にナチュラルとも限らない。

だから必要なのが、ナチュラルを聞き取る耳

日本語として正しい発音は一つではない。
その中から、「どれを選ぶか」
これがナチュラルボイスの技術。

要所でストレートを使うことで
エレガントでカッコいいナレーション
になるとのことでした。

「呼吸はスケート」
これも印象的なたとえでした。

良い呼吸ができているナレーションは、スケートの滑走に似ている。
勢いがあるから流れがある、だから技術が映える
呼吸と響きがあるからこそ、自然に表現が乗る。

さらに驚いたのが意味で読まないということ。

現場では
初見
原稿変更
時間制限
が当たり前。

そんな中で、意味を全部理解してから読もうとすると間に合わない。

そこで必要なのが「ストレート読み」をすること。
意味に寄り添わずに構造で読むことができれば。
・初見に強くなる
・聞き手にスッと入る
・わかってない感が出ない

最後に
ナチュラルボイスは、考えてできるものではない。
スポーツと同じで、身体で覚えるものと教えてくださいました。

だからこそ、
・継続的な訓練
・耳を鍛える
・良い響きを探す
これが必要になる。

まずは、
・深い呼吸
・良い響き
・ナチュラルを聞き取る耳
を育てながら、
自然でカッコいいナレーションを目指していきたいと思います。

墨屋先生、貴重なご指導ありがとうございました!