オーディションという名の戦場

春16期ブランディングの梅田です。9/3(土)はマネージャー視点の授業でした。オーディション場面を設定し、自己紹介した後で初見の原稿を一人ずつ読んでいくというものです。zoom参加でしたが、入室した瞬間に、いつも以上にただならぬ緊迫感が漂っているのが画面越しにひしひしと伝わってきました(対面だったら息ができなかったかもしれない)。とは言え、この極度の緊張を乗り越えて、あるいはそれを楽しみながら、学長とマネージャー陣全員を前に読めるという経験は、この上なく贅沢な時間でもあります。

すべて終了した後で投票が行われ、いただいたコメントの数々は、自分への言葉でなくても、突き刺さるものばかり。自分に与えられるごく限られた時間の中で、いかに変化に富んだ表現を示せるか。無難な上手さより強烈な色味。場合によっては「ぱっと見」が決め手になることも。私個人としては、声質やニュアンスの乗せ方についてはお褒めの言葉をいただき(冷静におっしゃるのがまた嬉しさを倍増させる、と思うのは私だけでしょうか)、ストレート表現のスピード感がチグハグであるとご指摘を受けました。なるほど、緩急を意識しすぎてコントロール不能になっていたのだな、と実感。さじ加減を鍛え直します! 

そして、この日ほかに印象深かったのは、スペシャルゲストとしていらっしゃった卒業生の方々でした。自己紹介からしてキャッチーで、読みに関しても、きっと「他の読み手がこうだから、じゃあ自分はこれでいってみよう」といったような瞬発力や即興力を感じました。オーディションは「相対評価」。この言葉の意味・・・! 自分がどう表現するかということに加え、他と差別化するための選択肢を常にいくつか持っていて、ライバルの読みを聞いた後で、どう表現すべきか、どの技を繰り出すか決めていくような、周囲を見渡せる「余裕」がそこにはありました。すごい、の一言。良きものを見せていただきありがとうございました。

ちなみにこの授業の直後、SNSを通じて声をかけてくださる方がいて、私も人生初めてのオーディションに挑戦しました。事前に読みを録音して参加する形式ではあったものの、せっかくなので学んだことを書いておきます。

(1) おそるおそる始めたSNSの威力。チャンスが一気に広がったような気がする。いつか目黒先生が「SNSは存在証明」とおっしゃっていたけれど、その通りだなと思った。私、ここにいますよー、と何気なく発信するだけでも、見ていてくれる人が、いた!

(2) 最低でもボイスサンプル以上のクオリティーを出せるようにしておくこと。「ボイスサンプルにあった〇〇のような雰囲気でお願いします」とリクエストがきたので、その時の自分のボイスサンプルを完コピしてから録音する、という謎の行為に走る。実力120%のテイクがボイスサンプルなのだが、一度作ったからには自由自在にその表現を取り出せるようにしておきたい。

(3) バーズの存在の大きさ。ベストなものを提出するにあたり、自分の読みに自分でゴーサインを出す難しさを痛感した。日頃、先生方のアドバイスで喜んだり、安心したり、危機感を覚えたりできるありがたみを忘れないこと。独り立ちへの道のり長し。

結局そのオーディションで選ばれることはありませんでしたが、それでもスタートラインに片足だけ立てたような、立てていないような、実り多き機会となりました。深夜に及ぶ録音で、翌日しっかり吹き出物が2つできていて、体調管理の重要性も思い知ったのでした。

ブランディングの授業も残すところあと1回。名残惜しいです。

長すぎるこの文章を最後まで読んでくださったあなたは、とても辛抱強い方ですね。心より感謝申し上げます。