ボイスサンプル収録で「エコノミー」担当の小枝さんに「ビジネス」コースを依頼 したお話

おはようございます。19期モードクラスの沢井由(さわいゆう)です。

今回ボイスサンプル収録においてイレギュラーな申し込みをしたため、「こういう時こそブログをアップするチャンスだ」と偉い人からご指摘がありましたので「由(ゆう)、書いちゃいなよ」なんて言い方をされたわけではありませんが、執筆しております。

従来スタジオバーズでボイスサンプル収録を依頼する場合、「エコノミー」か「ビジネス」を選んで、担当の先生にお願いする流れになります。担当の先生はコースごとに決まっています。イレギュラーな何をしたかというと、本当は「エコノミー」担当である小枝さんに「ビジネス」の内容でお願いした…ということでした。

コースの違いを簡単に説明すると、「エコノミー」は収録日の1日のみスタジオに出向き、「ビジネス」を選ぶと収録前に打合せの時間を設けてくれるので2日間の日程で予約を組んでくれます。

自分は自作の原稿を使うため、客観的な指摘が必須と考えており、「ビジネス」を依頼することは最初から決めていました。ではなぜ、本来「エコノミー」担当の小枝さんに「ビジネス」の内容でお願いしたのか。

理由は4つあります。【理由①】過去に3名の先生に収録を担当してもらったのですが、なるべく異なる先生のディレクションを受けてみたかった。【理由②】小枝さんはモードレッスンの補助で度々参加されていたので、沢井の一番直近の状態を知っており、かつ映像にナレーションを当てたものを観たことがあるのがボイサン担当者の中で小枝さんだけだった。【理由③】現場でMAミキサーの仕事をされており、普段から放送レベルの編集に触れている方なので、その技術力で編集されてみたかった。【理由④】レッスン中の言動から悪球打ちにも懐が深いと感じた(沢井はプレイヤータイプと言われた事がなく、クリエイタータイプだとよく言われる)。

といった理由から事前に許可を取った上で小枝さんに依頼した次第です。以前、他の先生に同様の依頼をかけたクラスメイトがいたので可能なのではないかと思い、お願いすることにしたのです。

聞いたところ、意外にも小枝さんが「ビジネス」を担当するのは初めてだそうで、何気に沢井が小枝さんの「初めての人」になってしまいました。

さて打合せですが、まず自己のプレゼンから入りました。少しでも解像度を上げてもらうために、今まで講師に言われてきた「総評」「評価の高かった点」に加えて「このボイスサンプルにした理由」「悩んでいる点」「前回作におけるMG陣からの指摘」そして時間が余れば「ミキサー技術について教えて欲しいこと」を文章化し、印刷してお渡ししました。

また過去のボイスサンプルや自分のHPにアップしているボイスオーバーカタログも聴いてもらいました。

そして収録予定の自作原稿もお渡しして、いよいよ細かい打合せのスタートです。

まずは「今回ボイスサンプル収録におけるテーマをはっきりさせよう」と言われました。加えて「誰に訴求したいのか」、「何を提案したいのか」という質問が。自分なりの考えはあったものの、改めて文字にする事で、より明瞭に自覚が芽生えると感じました。

そして自作原稿の内容や狙いを解説します。当然指摘が入るのですが、まず「映像が見えてこない」という感想でした。「絵コンテを考えて文章を構成したか?」という質問。うぅ…やってなかった…。テレビナレーションを目指すなら確かに必要な作業だと思いました。自分の気持ちの良い文章だけで構成してもライブ感が出ないのです。絵が想像できれば、フリやウケといった構成も深みを増すとのこと。更に「タイトルコールを意識したか?」「聴き手に寄り添って考えたか?」などなど原稿内容の共有作業が続きます。

テンポやトータル時間、構成順序まで最適となるようアドバイスをくれます。「ビジネス」は文章も一緒に考えてくれるコース。考えて来た原稿を最大限活かせるように修正がビシバシ入ります。なぜそうした方が良いのか、をテレビサイズで解説しながらアドバイスをくれます。説得力が違います。勿論自分からも遠慮せずに提案を入れます。

ミキサーさんならではの技術的な提案もいただきました。「え?そんなこと出来るんですか?」とビックリすることも。今回は原稿が長すぎたため、元の内容を活かしつつ短くする手法と、より印象に残すための提案でした。

そして、キーとなるワードの相談です。案件が来た時に、MGに存在を思い出してもらえなければ仕事を取れる確率は激減してしまう、という事をバーズにいる間、耳が痛いほど聞いてきました。例えば「〇〇案件」があったとして、「〇〇のボイサン録ってた人がいたな…」と。日常でもよくある「名前は出てこないけど、〇〇の人でしょ?」となるアレです。記憶に残る強烈なインパクトを残す事が大切になってきます。

なので、「このボイスサンプルで強く印象づけるキーとなるワード」の提案がありました。今回の場合は、2つのワードをとにかく記憶に残る構成にしようと提案を受けました。うち1つは決して綺麗なワードではなかったので、「これで構わないか?」との打診がありましたが、記憶に残るサンプルにするため受け入れました。

さて、修正原稿が出来上がったので、持ち帰って練習し、次回収録に臨みます。

日をあけて収録当日です。緊張しているので和ませてくれます。さぁブースに入りテストです。ここでもこだわりを見せてくれました。「最近のマイクは高性能だから大抵の音は拾ってくれる」。これは業界で何度も耳にする言葉です。しかし小枝さんのこだわりは更に上を見せます。「個々によってマイクのベスト位置は違うのでそこを見つけて録りたい」と。何度かブースから原稿を読んでみたのですが、納得がいかないようで、何度もブースにやって来てマイク位置を微調整してくれます。え?そんな位置もありなんですか?知らなかった…。録ってもらう側からしたら、「ありがてぇなぁ…」ですよ。そして実際に録れた音を聴かせてもらったら確かに変化が。「コンプレッサー声」なんて言われたこともある自分の声がマイク位置によっては「こもりやすい」傾向がある事も初めて知りました。

読み進めながら、声質が活かせる喋り方やトーンなど、テレビサイズの経験値からどんどん良くなる提案をしてくれます。どこまで応えられていたかは分かりませんが、失敗しても嫌な顔は一切見せず(ブースから見えませんが)、クオリティを引き上げてくれます。

BGMもいくつも候補を聴き比べて選んでくれました。かなりの数の候補を選定してくれていたと記憶しています。

収録も終えると、編集作業が始まりました。マウスやキーを叩く音が速すぎて、また画面が速すぎて、何をやってるのかさっぱり分かりません。これでも自宅で宅録しますから多少の知識はあると思ってましたが、音声編集ソフトにそんな機能ありましたっけ?的な窓がいくつも出てきます。人間、次元が違うものを目にすると思考が停止するんですね。「ジョジョ2部のカーズ」みたいに考えるのをやめました。

BGMの選定や編集など総合的な理由で予定時間をかなりオーバーしてしまったので謝られたのですが、こだわって編集してもらった結果ですから、ひたすら嬉しいです。ひたすら感謝しかありません。

今回、小枝さんに「ビジネス」コースで依頼をかけて本当に良かったと思っています。従来の「ビジネス」コースの依頼だと、バーズの定期開催のイベント時期はおそらく先生一人に対して「なんじゅうぶんのいちの相談枠」だったと思うのですが、今回だけは相談枠を独り占めできたわけですよ。初めての「ビジネス」対応ということもあったのかも知れませんが、徹頭徹尾丁寧に対応してもらえました。このブログを読まれた方の中で、「私も小枝さんにビジネスで依頼してみようかしら」…って人が現れたら面白・・・もとい良いですね。長々と文章を書いた労力も報われます。その際はイレギュラー案件なので事前に許可が必要かと思われます。さて、ここまで読まれた方は凄いです。それでは。

逸見先生「ソフトドキュメント」授業を振り返って

寒かったと思えば急に春の陽気、と思いきや翌日はまた冬に逆戻り。まさに三寒四温を全身で体感する今日この頃。さらに毎年恒例の「観測史上初」「今年の花粉飛散量は前年度超え」というニュースを遠い目で聞いている19期・秋モードの杉田です。

さて今回は、逸見先生による「ソフトドキュメント」の授業を振り返ってみたいと思います。

今回は、スポーツドキュメントと、いわゆる「ザ・ドキュメント」の二種類の原稿。

まず、ひと口に「ドキュメント」と言っても実に多種多様であることを教えていただきました。
正統派の報道ドキュメント、バラエティの中にある「ドキュバラ」、人物や物事にじっくり迫るものなど、その幅は広い。

では、それぞれにどんな温度感で迫るのか?
ナレーターの役割や距離感はどこにあるのか?
ディレクターが求めているものは何か?

それらを踏まえた上で、
「取り上げられている題材が一番よく見える読みになっているか」
が大切だというお話がありました。

ドキュメントナレーションは、一見するとフラットでナチュラル、何もしていないように聞こえます。
しかし実際は、緻密な工夫が随所にちりばめられている世界。

「読んでいるように聞こえない」言葉運び、間の取り方、リズムの設計。
バラエティとはまったく異なる難しさがあることを、改めて実感しました。

一人ひとりの読みに対して、
「ドキュメント読みとして最も良い読み、音とは何か?」
を、丁寧に探りながらコメントしてくださる逸見先生。
それぞれがどの道を進めばいいのか、そっと道しるべを置いてくださるような指導でした。

特に印象深かったポイントは
・真実味を与える音選び
・ドキュメントだからといって何もしないわけではなく、構成を考えながら計算して読むこと
・適切な距離感を保つこと
・強調は声の高低よりも、間やテンポでつくること
・煽る場合も、ドキュメントの枠をはみ出さないこと

これらを意識することで、読みは一気にドキュメントに近づき、より「豊かな表現」になるのだと学びました。

また、「タイトル読み」や「置きに行く読み」は、最低でも3パターンは持っておき、状況によって使い分けられるようにしておくと良いとのこと。 プロの引き出しの多さを感じるアドバイスでした。

読みに立体感を出すためには、ほんの少しの変化が鍵になる。
活舌をあえて甘くする部分、間をずらす部分、感情をほんの少しだけ乗せる部分、テンポを変える部分と大きく動かさなくても、微細な変化が「味」になる。

「癖」が出たり、「良い声を出そう」と意識しすぎたりすると、途端にドキュメントらしさが消えてしまう。
自分が読みやすい原稿、自分の声が映える曲調やテンポ、楽器との相性を知っておくこと。
言葉の意味や内容に引っ張られすぎないこと。
そして、普段の自分のしゃべりを把握した上で、「ドキュメントっぽい音」を探すこと。

逸見先生ご自身の経験を交えながら、具体的にお話ししてくださいました。

そんな濃密な授業の最中、なんと学長が教室に登場。
授業の最後に、逸見先生と学長による「ドキュメント談義」。
なんとも贅沢な時間でした。

・ドキュメントは想いを込めて読みたくなるが、意味を込めない、意味を読まない、逆に重い言葉は軽く読むことが大切。
・朴訥さはドキュメントの武器。
・ドキュメントでは絵が語っているのだから、ナレーターは引く。
・「個性」や「いい声」を聴かせようとするスケベ心こそ最大の敵。
・ただし、別枠は存在するからこそ、自分の声やしゃべりを追求することは必要。
・活舌の良さやいい声を聴かせることを目的にするのは、プロはやらない。

一つひとつが胸に刺さる言葉でした。

授業を終えて、ドキュメントナレーションというものの輪郭が、ほんの少しだけ見えた気がします。
まだ霧の中ではありますが、確実に何かは掴み始めている感覚です。

もっと自分の普段のしゃべりを研究し、ドキュメントナレーションとの接点を探っていきたいと思います。

義村学長、逸見先生、貴重で深いご指導を本当にありがとうございました!

「スポーツの王道」授業を振り返って

ついに始まったミラノ・コルティナオリンピック。メダルラッシュの日本に胸を熱くしつつ、諸先輩方のスポーツナレーション研究にも勤しみ、寝不足が続いて目はまっかっか。 カフェインと情熱でなんとか持ちこたえている、19期・秋モードの杉田です。

さて今回は、田子先生による「スポーツの王道」の授業……
だったのですが、生徒からのリクエストにより、なんと内容はバラエティ原稿に変更。
こうした柔軟さも、バーズの大きな魅力だなあと改めて感じました。

ということで、授業内容はバラエティ番組のワンコーナーを、初見で映像に合わせて読むというもの。

まず一度動画を確認
原稿は「アバン→内容説明→スタジオに振る」という、バラエティの基本構成。
楽しく、テンポよく、説明はわかりやすく、でも深刻になりすぎない。
不安をあおるところはきちんとあおりつつも重くならず、あくまでバラエティなので笑いも欲しい
と内容について、田子先生から軽く方向性の説明を受け、順番にナレーション収録を行っていきました。

初見原稿ということで、大緊張に襲われるかと思いきや……
収録が始まると、田子先生のオモシロトークが炸裂。大爆笑の中で進むという、まさかのリラックス空間に。
緊張どころか、気づけば肩の力が抜け、楽しく収録に臨むことができました。

改めて、「自分がリラックスしてナレーションできる現場をつくる」という意識の大切さを実感しました。
技術だけでなく、空気づくりも含めてナレーターの仕事なのだと感じさせられます。

あっという間に全員の収録が終わり、その後は田子先生から「自分ならこうする」という具体的な解説がありました。

特に印象に残ったのは、
絵替わりする部分・しない部分の見極め、持ち時間がどのくらいあるのか、あるいはほとんど無いのか。その中で、どの文章がどんな効果を生み、どう視聴者に訴えかけ、どうやって面白さを仕込むのか というお話でした。

さらに、番組そのものを理解することの重要性
担当する芸能人の方がどう振るのか、MCにどう戻すのか
といった点まで踏まえた上でナレーションを入れ込むことが、番組全体を生かすことにつながるのだと教えていただきました。

その後は、収録した音源を全員で聴いていく時間に。
今回は初の試みとして、生徒同士が感想を述べ合い、そこに田子先生や、収録を手伝ってくださった小枝先生が補足コメントをしてくださる形でした。

普段は先生方からの講評が中心ですが、同じ立場の生徒の皆さんからの感想は、自分では想像していなかった視点ばかり。
思わずハッとさせられることも多く、非常に勉強になりました。

最後に総括として、田子先生からたくさんの大切な助言をいただきました。

・書いてあるタイムを気にしすぎない
・自分のタイムを書き込むこと
・タイムテロップ、音、効果音を自分でコントロールする意識を持つこと
・そこに自分のナレーションをどう入れ込むかを考えること
・原稿を一番面白く読むために、どんな読みが最適かを考えること

ただし、考えすぎるのはNG。
絵を見て、音を聞いて、自然に出てくるものをそのまま出すのが「個性」につながる。
そのためにも、普段から表現力や声のコントロールを研究し、原稿を見た瞬間にスムーズに
「一番適当な表現」
が出てくる状態を目指す。
そして、「辞めたら終わり。だから続けること」胸に刺さる言葉でした。

田子先生の授業は、楽しく学びが多いのはもちろんですが、それ以上に、ナレーターとして、そして一人の人間としての「在り方」を学ばせていただいている時間だと感じます。 誰もが田子先生を好きになる理由は、その人柄やたたずまい、この人と一緒に仕事をしたい、この人を現場に呼びたいと思わせる力を、まさに体現されているからだと思います。

田子先生のようになることは簡単ではありませんが、田子先生を目標に、少しでも近づけるよう努力を続けていきたいと思います。

田子先生、小枝先生、貴重で温かいご指導を本当にありがとうございました!

「Mgrに飛び込め!」授業を振り返って

からっからに乾いた空気の中、パチパチ君の突然の大放電に毎回ビクッとさせられている今日この頃。19期・秋モードの杉田です。

さて今回は、「Mgrに飛び込め!」というタイトルからして気合い十分な、超・超・実践的な授業でした。

当日は実際のバラエティ動画を使用し、その場でナレーション収録を行い、表現や提案についてマネージャー陣から直接コメントをいただくという、緊張感マックスな内容です。

個人的な話になりますが、これまで他事務所の授業などで、マネージャーの方々の前で自分のプレイを確認していただき、なおかつその場で率直なコメントをもらう、という経験はほとんどありませんでした。 だからこそ、このバーズならではの授業をずっと楽しみにしていました……
とはいえ、いざ当日を迎えると楽しみ半分、緊張半分(いや、緊張8割)というのが正直なところでした。

教室には、いつも以上にピリッとした空気が漂う中、事前にいただいていた原稿を動画に合わせて収録。その後、狩野社長、武信マネージャー、畠山マネージャーそれぞれから、プレイに対するコメントをいただきました。 普段の授業とはまた違う、現場そのものの空気感に、背筋が自然と伸びる時間でした。

これまでの授業では、発声や表現といった技術的な部分や、日々の勉強・研究の仕方などが中心でしたが、今回は明らかに視点が違いました。 「実際に候補に上がるにはどうするか」
「どうすれば選ばれる存在になれるのか」
という、よりリアルでシビアなテーマの授業だったと感じています。

中でも特に印象に残った言葉が、「勝ち切る」という目線です。
どう印象を残すのか。
どうすれば選ばれ、
候補に名前が挙がるのか。
そして、候補に挙がったその先で、どう「勝ち切って」仕事を取りに行くのか。ナレーションの技術だけではなく、仕事として成立させるための覚悟と戦略を学んだ時間でした。

授業の大きなテーマでもあったのが「提案」。
それは、ただ無難に読むことではなく、自分の武器や読みのセンスを提示すること。
自分の表現の強みは何なのか、映像に対してどんなプレイをするのか、
そして
「自分がナレーションを担当することで、この番組がどう面白くなるのか」
を、きちんと見せること。

そのために、映像のどこにどう入り込んでいくのか。どんな視点で提案するのか。読みの方向性一つで、印象が大きく変わることを改めて実感しました。

生徒一人ひとりのプレイに対して、マネージャー陣の皆さまから懇切丁寧で、時に厳しく、でも愛のあるコメントをいただき、本当に学びの多い授業でした。

今回の授業を通して、もっと自分自身の強みを研究し、それを「提案」として形にできるナレーターになりたいと強く思いました。
そして、「選びたい」「仕事を任せたい」と思っていただける存在を目指して、これからも努力を重ねていきたいと思います。

狩野社長、武信マネージャー、畠山マネージャー、貴重で刺激的なご指導を本当にありがとうございました!

逸見先生「ウィスパー」授業を振り返って

ものすごい勢いで加湿器の水が減り、空気の乾燥を全身で感じる今日この頃。喉もお肌もケアが大事ですね。19期・秋モードの杉田です。

さて、今回は 逸見先生による「ウイスパー」の授業を振り返ってみたいと思います。

まずはナレーションにおけるウィスパーの定義から。
ウィスパーには幅広い捉え方がありますが、基本的には「息を混ぜて声を出すこと」であり、人それぞれマイクへの乗り方が違うとのこと。
今回は、「自分のどこをどう使えば一番素敵に聞こえるのか」を探すのが目的でバラエティとスポーツドキュメントの原稿をウィスパーで読んで収録してみるという、実験的で発見だらけの授業でした。

ウィスパーは、おしゃれでムードのある表現を生み出せるため、ドキュメントに限らずバラエティで使っても問題ない表現。
ただし、微妙なコントロールが必要で、使いどころを気を付けないといけない難易度の高い技でもあると学びました。

私はウィスパー=あまり響かせない、というイメージを持っていましたが、実は「地声の響き」がとても重要で、その響かせ方ひとつで表現がガラリと変わるのが印象的でした。 ウィスパーを意識しすぎると、表現が暗くなったり、妙にクサくなってしまったり……。
意外にも、前に出す表現が必要で、ほんの少しの身体の使い方や発声、イメージの違いだけで、結果が大きく変わることに驚かされました。

また、「息を混ぜる」ことばかりに集中すると、声が暗くなったり、マイクにうまく乗らなかったりと、難しさも倍増。声質によって向き・不向きもあり、使いこなせないと下手に聞こえたり、クサさが前面に出てしまうというコメントもいただきました。

「練習するならお風呂がおすすめ」
という実践的アドバイスも。たくさんの番組を観て、さまざまなウィスパー表現に触れながら、自分に合うスタイルを見つけていくことが大切だと学びました。 そして、もしウィスパーの迷宮に迷い込んでしまったら一度フラットに、普通に読んでみる。それもまた、とても大事なリセット方法だそうです。

ウィスパーは、経験とさじ加減、そして映像との差し引きが必要な高度な表現。
自分の声が向いていると感じるなら、積極的に探究してみると面白い課題だそうです。
ありがたいことに、私の声質も「向いていないわけではない」との評価をいただいたので、今後も研究を続けていきたいと思います。

逸見先生、貴重なご指導をありがとうございました!

大江戸先生「バラエティの映像理解」授業を振り返って

寒波に黄砂に、気づけば一気に冬モード。
身体は芯から震え、くしゃみは止まらず、「これは風邪なのか?花粉なのか?それともただの老化なのか?」と軽くパニックになっている、19期・秋モードの杉田です。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて今回は、大江戸先生による「バラエティの映像理解」の授業を振り返ってみたいと思います。

事前に映像と原稿をいただき、そこにナレーションを入れたものを大江戸先生に確認していただき、授業で直接コメントをいただくという、非常に実践的な授業でした。

授業では、大江戸先生ご自身の経験談やエピソード、さらには実演まで交えながら、終始楽しく、そして濃密な時間を過ごさせていただきました。

先生から教えていただいたのが、「縦」と「横」の表現の考え方。
課題への取り組み方として、小さなジャブを刻むのではなく、渾身の一撃を放つ覚悟、つまり大きく表現し、大きなリスクを取りに行く積極性の重要性を学びました。

大小・高低・スピードといった基本要素はもちろん、
映像から受け取れる情報をもとに、さまざまなたくらみを意図的に仕込んで、オーバーに表現することの大切さ。

ナレーターとしてスキルを求められる場所に立てば、熟練者になるまで世間は待ってくれない。
未熟でも、戦うしかない。
付け焼刃で出したものが、思いがけず光ることもある。
だからこそ、思いきり振り切る。「言われなくても、ここまでやる」という姿勢こそが大事。
失敗から学ぶことは多いので恐れずにやる。

評価は受け取る人によって変わるのが当たり前。
だからこそ、その評価の違いを研究することが重要。

「120%でナレーションしてくれるだろう」という期待感を持たせること。
ただ読むのではなく、提案し、強烈なインパクトを与えることが絶対に必要。
まずはスタッフを笑わせ、「ここまでやってくれる人だ」という信頼を勝ち取ることが大切だという言葉が、とても印象に残っています。

ある一定の技術に達すると、「この先どうすればいいかわからない」状態に陥る。
しかし、そこが進化のしどころ。
市場に新しいものが放出された瞬間、化学変化が起き、一気に成長が加速することがある。
そのためにも、常にアンテナを張り続け、知識を吸収し続けることが必須だと教えていただきました。

そのためには、とにかく知識。
売れているナレーターの音のストックを持つこと。
そしてミラーリング。
ミラーリングをしても個性は必ず残るので、恐れずにやる。
トレンドを追い続けることの重要性も学びました。

バラエティ番組の理想は、
「視聴者が笑って、疲れて、寝る」
最終的には、面白ければ何でもOK。
「こいつ、頭おかしいんじゃないか?」と思われるくらいやってみる。

まだまだ全然なにもかも足りない自覚があるので、もっとテレビを見て、知識を蓄え、反復し、振り切った狂ったナレーションをストックとして持てるよう、これからも努力していこうと思います。

大江戸先生、貴重なご指導を本当にありがとうございました!

松浦先生「情報とバラエティ」授業を振り返って

今年も残すところあと僅か。今期のバーズの授業も、気づけば折り返し地点に突入しました。
ナレーションの無限城にずっぽりハマり、気分は伊之助の19期・秋モードの杉田です。明日はどっちだ!

さて今回は、松浦先生による「情報とバラエティ」の授業を振り返ってみたいと思います。

今回の題材は、情報バラエティ番組の特集部分。
特集でなぜナレーターが変わるのか?
その役割と意味、そして松浦先生の「バラエティナレーションはラーメン」理論について解説していただきました。

課題テーマは
「大きく表現する」を研究すること。

松浦先生ご自身の現場エピソードも交えながら、楽しく授業をしてくださいました。

印象的だったのは、
「王道ナレーション」は新人の主戦場ではないというお話。

王道を求められるのは、あくまで王道の席に座る方々、大御所の領域。
新人がまずやるべきことは、表現を盛ること。

・誇張して
・王道を盛って
・盛って盛って、押せ押せで行く

そしてディレクションが入ってから、初めて引く。
盛るからこそ、個性が浮き彫りになる。

時にはボイスサンプルで出している以外の表現、色付けやオリジナリティが求められる。

「これくらいやってくれるだろうな」という期待を勝ち取る勇気。
その期待が、次のキャスティングにつながっていく。

まさに、
新人が入り口をこじ開けるための戦い方を教えていただいた授業でした。

とはいえ、
「派手に大きくやればいい」という単純な話ではありません。

大切なのは、
メリハリ、スピード、テンポ。

今、何を表現すべきなのかを的確に読み取り、それをコンパクトに出す技術。
そして、自分の個性や強みを活かした「ハマる読み」を見つけること。

自分の可能性を広げるためにも、バラエティの王道を理解した上で、「他にどんなバラエティ表現があるのか」を分類・研究し、自分がキャスティングされるなら、どのポジションかを把握する。

そうして、自分が一番ハマる場所を見つけていく。

「いろいろやって、ストックを作れ。
いつでも出せる準備をしておけ。
出さなければ、誰にも評価されない。」

この言葉が、胸に刺さりました。

自分自身、まだ「あれもこれも」な状態ではありますが、これからも研究を重ね、自分の強みやハマる場所を見つけて、しっかり伸ばしていきたいと思います。

松浦先生、貴重なご指導をありがとうございました!