台風の進路が定まらないその姿に、勝手ながら少し親近感を覚えている今日この頃。
同じく迷走中の私は、このまま温帯低気圧のように静かに消えていくのか、それともいつの日か旋風を巻き起こすことができるのか。 まずは目標を定めたいと思います。
20期・春コアの杉田です。
さて今回は、堀場先生による「リズムと緩急」の授業を振り返ってみたいと思います。
今期最後となる堀場先生の授業。
バーズでは、ナレーションにおいて「緩急・高低・強弱」が大切だと繰り返し教わります。
その中でも特に重要だと言われているのが、
緩急。
今回は、その緩急をどう作るのかを中心に学ぶ授業でした。
授業冒頭、先生は、
なぜこの授業名が「リズムと緩急」なのか
というところから説明してくださいました。
先生の中では、
リズムは緩急の中に内蔵されている。
という考え方なのだそうです。
緩急には、大きく三つの要素があります。
・読んでいる部分のスピード
・読んでいない部分のスピード、つまり「間」
・どこで文章を切るか
普段、文章をどこで切るか考えるとき、つい、
意味の区切り
ブレスが続く場所
自分の感覚
で決めてしまいがちです。
しかし先生は、
緩急のバリエーションを作るために、意図的に切る場所を選べるようになるといい。
と仰いました。
例えば、
「ここで切ったら、かっこいいかもしれない」
「ここに間を作ると、意味深に聞こえるかもしれない」
「ここから速度を変えたら、スピード感が出るかもしれない」
と、演出として切る場所を考える。
つまり、
意味に従って切るだけではなく、表現を作るために切る。
ということです。
原稿を見た瞬間から、演出を考えるという
発想ができるようになると、初見でもよりダイナミックな表現が作れます。
また実際の現場でも、タイムコードという制約の中で、
どこに間を作るか
どこを走るか
どこで崩すか
といった選択肢を持つことができます。
単純にスピードを速くしたり遅くしたりするだけではなく、
前回の授業で学んだ、
・語尾を上げる
・下げる
・伸ばす
・止める
といった要素も組み合わせることで、読みのリズムが作られていくそうです。
今回はの授業では、ジャンルの異なる3つの原稿の中から2つを選んで読みます。
課題は大きく二つ。
・一つの原稿の中で、しっかり緩急を作ること。
・ジャンルの違う2本の原稿で、さらに大きな差を作ること。
みなさんそれぞれに、間を変えたり、速度を変えたり、声色を変えたりしながら、さまざまなチャレンジをしていきました。
堀場先生の授業では、前回同様、
「どんな番組を意識しましたか?」
と聞かれます。
単に原稿を読むのではなく、
その読みが、どんな番組のどんな演出に使われるのか。
まで考えることが重要だからです。
堀場先生はバーズでボイスサンプルの収録も担当されているため、オンエアで使うならどうかという視点だけでなく、
ボイスサンプルとして聞かせるならどうするか。
という視点でもフィードバックしてくださいました。
堀場先生の授業で特に強く感じるのが、
チャレンジを恐れないこと。
という姿勢です。
先生は、
・振れ幅
・ダイナミックさ
・ハングリー精神
をもっと持ってほしいと繰り返し仰いました。
つい失敗しない読みを目指してしまう私には、なかなか耳の痛いお話でした。
安全運転を心掛けすぎて、気づけば駐車場から一歩も出ていない。
そんな読みにならないようにしたいものです。
今回も、一人ひとりの読みに対して、先生は実演を交えながら丁寧にフィードバックしてくださいました。
その中でも特に印象に残ったものをまとめます。
・間や強調点によって、どこを大切に聞かせるか自分で作れるようにする
・ダイナミックに変化をつける
・思い切って間を空ける
・講師を驚かせるくらいのハングリー精神でチャレンジする
・2つの題材を読むなら、極端なくらい違う演出をつけてもいい
・スピードだけでなく、雰囲気や声色も同時に変える
・すべての情報を完璧に伝えようとしすぎなくてもいい
・場合によっては間があってもいいし、多少崩れてもいい
・自分で演出を考え、その演出に合わせた読みを作る
・引っかかりや小ネタを入れる
・ギリギリ許される「外し」や「崩し」を考える
・参考にする番組は、自分の良さや強みを活かせるものを選ぶ
・リズムが単調なら、あえて自分が普段選ばない場所で切ってみる
どれも、
まずは自分から表現を動かしてみる。
ということにつながっているように感じました。
そして今回、先生が何度も口にされていた言葉があります。
フックが必要。
ナレーターとして選んでもらう。
商品として手に取ってもらう。
そのためには、
上手いだけでは足りない。
とのことでした。
もちろん、上手いことは大前提です。
でも、
「この人、なんか気になる」
と思ってもらえる引っかかりがなければ、数ある声の中に埋もれてしまう。
何でもいいから、
その人なりの「引っかかり」を作る。
それがフックなのだと感じました。
フックを作るためにも、
・他の人のボイスサンプルを聞く
・オンエアを研究する
・ミラーリングをする
ことが重要です。
知らないものは出せません。
だからまずは、良い表現をたくさん知り、自分の中へ入れていく。
全く全然研究が足りてないと実感しました。
今回の授業を通して改めて感じたのは、
ナレーションは思っている以上に自由。
だということでした。
意味通りに読むだけではない。
句読点通りに切る必要もない。
速度も変えられる。
間も作れる。
声色も変えられる。
崩すこともできる。
しかし自由であるということは、
何を選ぶかを自分で決めなければならない。
ということでもあります。
ここで切るのか。
走るのか。
間を取るのか。
声を変えるのか。
そして、
なぜそれをするのか。
そこまで自分で考える必要があります。
自由って、なかなか忙しいです。
今回の授業では、リズムや緩急について学びながら、
自分の読みにどうフックを作るか。
という、大きな課題を持ち帰ることになりました。
振れ幅をもっと大きくする。
普段なら選ばない切り方を試す。
失敗を恐れず、もっと大胆に演出してみる。
他のプレイヤーの表現を聞き、ミラーリングを重ね、引き出しを増やす。
そしていつか、
「上手いね」
だけではなく、
「おっ、この人なんか面白いね」
と思ってもらえるナレーションができるようになりたいです。
次に堀場先生にナレーションを聞いていただく機会があれば、
「お!」
と少しでも思っていただけるよう、これからも試行錯誤を続けていきたいと思います。
堀場先生、貴重なご指導ありがとうございました!