ナマの現場で感じたこと

土曜コア&ブランディングの川本えこです。堀場亮佑先生の収録を見学させて頂いたときの感想です。

5月9日18:30@品川イマジカ。

刷り上がったばかりのまだ生暖かい、めくりの悪い原稿を受け取ってすぐ、一度も目を通すことなくアナブースに入る堀場先生。Dからの指示はほぼない。「堀場さん、あとは最後の色付け、いつものようにお任せします」そんな信頼感に溢れた雰囲気。

バラエティ番組であっても品を大切にする某大手芸能事務所のタレントさんが高級食を紹介する映像に堀場先生のボイスが乗る。堀場先生の喋りは間違いなく「品と高級感」を意識した紳士的なバラエティ感。週末朝の幅広い世代が家族で見るであろう番組を意識した、アゲ過ぎない明るいトーンで、面白さと興味深さの両方を感じ取れる表現。

堀場先生が喋るたびに映像に深みが増していく。ほぼノンストップで進んでいくが、「あ、今のところもう一度やります」と堀場先生のトークバック。どこに問題があったのかDも驚いたほど完璧だったが、ご自身が納得いかなかったようだった。と、そこで気が付いた!「今のところもう一度…

「やります」

これぞプロの気迫!「誰がではなく、自分が納得いかない」という、作品と対峙する「プロの誇り」。ラジオ業界の端っこにいた私が同じような状況になった時は「やらせて頂けますか?」と言ってきた。謙った言い方をする事で、自分の実力の無さを許してもらおうと甘えていたのだ!今頃になって気が付いた…情けない。

それにしてもあの物腰柔らかい堀場先生の芯にあるその「気迫」はどこから来るのか。気になっていろいろ質問した。

「常に研究ですよ。で、いいなと思ったらすぐにコピーしてみるんですよ。ダメだったら捨てればいい。でも一度はやってみないと。Dから伝えられたイメージだけをやるのではなく、さらに超えた表現をしてみることも大事。その為にも研究。いつ終わるかわからない世界だから常に研究と練習してますよ」

やはり弛まぬ努力と日々の研究からくる「自信」が放つ気迫だった。

数えるほどしかレッスンを受けていない私はバーズのレッスンの「真意」をまだ捉えられてはいない。しかし今回の授業は「現場の雰囲気を勉強する」だけではなく、「身の程を知ること」と「プロの姿勢」を感じ取り、「覚悟」をさせるためのものだったのではないかと感じた。

ナレーター、0年生。

いつか私も「やります」と言おう!でもまずは、絶望的な滑舌に向き合う気迫が欲しい( ;∀;)