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和風総本家スタジオ見学に伺いました。
見学のテーマは「請われて喋るということ」。
何故同性や自分に近い方の見学にしなかったの?と周りにも聞かれつつ、アドバンスを経て、今どうしても見たいものがあった。
”今までこんなに短い見学は初めてだよ”とあおいさんは笑います。それもそのはず、テストと本番一発OK、2本録りでも所要時間5分くらいだろうか。
折角なら沢山喋るところを…。まだ気心知れた仲ではない現場で関係を築いていくところを…。当初はそんな見学を望んでいました。
ですがアドバンスのゲスト講師に和風総本家の庄田さんが。予想外に人と人として真摯に話して下さるプロデューサーさんの姿に目が丸くなりました。
私たちは営業に、オーディションに勝ち抜くことを考えています。誰に営業し、どう印象に残るか。現場や営業での怖い話も。現場は”挑む場所”。制作の方は”選ぶ人”。
一方普段制作側の方と話す機会は少ない。知らずそちらを恐ろしいものと考えがちです。
庄田さんへはみんな自然と営業の質問が増えました。される側はどう感じるのか、迷惑ではないのか。答えは”営業は恋愛みたいなものだから、ふられてなんぼ、です。私たちもやるんです。分かっててもキツイですよね”と苦笑まじりに。あ、作る人もそうなんだ、と顔の強張りがとれたのは私だけではないはず。この方の現場はきっといい現場に違いない、そこが、見たい。そう思いました。
半ば答え合わせのように伺ったMAで出会った皆さんは想像通りの空気。番組の通り、目の細かい布地のようです。多分お会いしていない撮影の皆さんもきっと。作り手の在り方ってそのまま番組に出るんだなぁと頷く。あおいさん曰く”チームが全員同じ方向を向いている。こんな現場は貴重だよ”。スタッフさんもあおいさんもお互いが大好きなのが伝わってきます。
収録前の会話は朗らかに弾みます。決してナレーターからの一方通行ではない。”MAは仕上げの時だからピリピリしてる場合もありますよ。だからやっぱり一緒にいて楽しいナレーターに頼みたくなるし、気分良く収録に入りたいですよね”。とスタッフさん。だから”お互いに”盛り上げる。
逆に”もし話したくなさそうなスタッフさんだったら殊更話しかけたりしないよ”とあおいさん。あくまで良いものを作るためだから。
そうか、そうだよね、みんな良いものが作りたいんだもの。
そしてあおいさんは深く大きくうねりながら読む。
小鉢のお話、ON AIRで真似をしながら見て頂きたい。これだけの尺に短い文。初めての現場でこれを渡されたら、多分泣く。
”麻生さんもあおいさんも語尾に余韻があり間が怖くない方なので、原稿はなるべく短くしてます”とは庄田さんのお話。
”以前はもっと攻めてる読みのコーナーもあったね、もっとやろうもっとやろうと遊んでるうちに”とあおいさんとディレクターさん。
あおいさんが原稿を前にニヤリと笑うところが目に浮かびます。そしてディレクターさんがあおいさんの声とニヤリを思いながら文を書く様子が。
”君達は天才じゃないのだから、君達のために原稿をどんどん変えてくれる天才たちに出会うことだよ”とは先日別の場で伺って目からウロコが落ちた言葉。
このニヤリ。面白がって作っていく姿勢。これを出せる以心伝心の関係を作ること。それが仕事。なんじゃないのか。
喋らせてもらう、でもなく喋ってあげる、でもなく、私たちはチームを作りに行っているのだ多分。選ばれることが目標じゃなくて、その先。
これから一緒のチームになるかもしれないと思えば営業もちょっと見え方が変わる。
アドバンスで教わる内容はそこに行き着くための手段。選ばれないとスタートラインに立てないから。つい目の前のことに囚われてしまいがちになるけれど、あおいさんのニヤリを忘れてはいけないのだ。
それでいいものができるのなら色だって着るし腹踊りだってする(そんな教えはありません)。体も整えるし、面白い読みができるようにメンタルも声も持っていく。そのひとつひとつ。
思いばかりのレポートで怒られそうです。視覚を使えた私の役得。気づいたことを幾つか。
あおいさんのうねりは深く、重心が随分低いところにあるようでした。日常にあるリズムじゃない。
これは音を聞いて肩から上だけで真似ても似ないだろう。多分コピーする生理ってこういうことをいいたいんじゃないかなぁ。もっと、腹の底からのリズム全部を覚える、みたいな。私はコピーがからきしなのでセミナーで掴んだ方はぜひ教えて頂きたい。
あとオーダーにより、あおいさんは以前はブースで大声を出して声帯をぶつけてから収録されていたこともあるのだそうです。
現場で声を出すこと、私なら躊躇してしまいそうだと思ったので書いておきます。
それでいいものが出るなら、何だってやった方がいいんだ。と思ったので。
最後になりましたが快く受け入れて沢山伝えようとして下さったあおいさん、和風総本家の皆さん、貴重な機会を与えてくださった学長先生に心から感謝を。
現場に飛び込んでいくにあたり、いつも高いところに掲げて走っていける大事なものを頂きました。忘れません。
在学中の皆さんの代わりによく見てこられているとよいのですが。
アドバンス あびこ

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