『バーズと私』

はじめまして。秋8期アドバンスのオウカです。
再入学の為に提出した作文を、加筆修正したものを記させて頂きます。
『バーズと私』
十代の頃、教科書の表現読みやアニメや映画のセリフを真似てる楽しさから、
声の仕事に憧れを抱くようになりました。
しかし、当時の私は体調不良の為に中・高に殆ど通えていない状態だったので、
憧れを胸に秘めつつ諦めていました。
やがて体調も回復し、大学では映像制作を専攻したのですが、
その時、ナレーションをやりたいと思いながらも、
何の経験も無い自分には無理だと諦めて、裏方に徹していました。
そして卒業後、何かしら制作に携わりたくて始めたCATVのアルバイト先で、
バーズに通っていた先輩に声を褒められ、スクールバーズをご紹介頂きました。
これが、バーズと私の出会いです。
胸の奥にずっとしまい込んでいた夢に、初めて光が差し込んだようでした。
そして始まったスクールの日々。
ストレート読み、バラエティ読み、ドキュメンタリー…etc。
いかにナレーションで聞き手の心を掴むか、
作品との自分の立ち位置、距離感、
どんな映像でも、ナレーションで幾らでも面白くすることが出来る事など…
声の世界について全く学んで来なかった私にとって、
バーズでの学びはどれも新鮮で刺激的で、驚くことばかりでした。
講師の先生方はトップクラスの売れっ子ナレーターで、
先輩やクラスメイトの皆さんも、現役でご活躍されている方が多く、
声の表現や現場の事、考え方など、いろいろ貴重なお話を聞く事が出来て、
授業以外でも多くの事を学ばせて頂きました。
でも、どこか気後れしてしまっている自分がいて、
通いながらプロとしてやっていく自分が想像出来ないでいました。
また、自分に自信がなかった私は発信がとにかく苦手で…
バーズ生としてあるまじき事と分かっていながらも、TwitterやFBを躊躇うばかり。
最終的な着地点は”プロのナレーターになる事”なのに、
先輩にも、通う事を目的としてはいけないという忠告を頂いていたのに、
いつしか通学する事に満足してしまい、
肝心の”プロとして生きていく為に学ぶ”という意識が頭から抜け落ちていました。
やがて経済的な理由で休学する事になりましたが、
自分の足りなさを感じていた私は、再出発する為の準備として、
アルバイトも、少しでも自信に繋がるようなものを選ぶようにしました。
まず、引っ込み思案で自分から働きかけるのが苦手で大きな声が出しずらい…
そんな弱点のリハビリになればと、食品のマネキンを始めました。
ここでは、発声や対象に向かっての声の出し方など、
授業で習ったことを思い出しながらアピールをしてみました。
すると、「きっと売れないよ」と言われていた商品でも、
完売もしくは一定以上の売り上げを出すことが出来て、
お店側からも、お客様からも好評を頂くことが出来ました。
少し自信を付けた私は、次に歴史物の音声収録のアルバイトを始めました。
しかしここでは自分の力を十分に出すことが出来ずに、悔しい結果となってしまいました。
渡された原稿は、改行もなく小さな文字で綴られ、しかも小さなテーブルでクライアントと向かい合い、
初見で読み上げなくてはなりませんでした。
目の前で睨まれながらの収録は非常にやり辛く、プレッシャーに弱い私は、
緊張から何度も読みつかえてしまう始末。
そして失敗するたびに怒鳴られるとますます焦るという悪循環に陥ってしまいました。
結局、時間が足りなくなり、その日は予定枚数の半分しか収録出来なかったので、
当然クライアントはお怒りになり、私は居たたまれない気持ちになりました。
そして報酬を投げつけて渡された時はショックで、
思わず「こんな読み辛い原稿、初見でミス無しで読むなんて無理です」と言い訳したくなりましたが、
その時、授業で習った教えが頭をよぎりました。
”現場では初見で読む事も多く、 寝不足のADが書いたぐちゃぐちゃの原稿を読む事さえある。
それでも、いつどんな状況でも、原稿をきちんと読めるようになるのがプロ”
私は改めて自分の力不足を感じ、恥じ入りました。
また、映像制作の仕事を受けた時です。
突然のチャンスに舞い上がった私は、幾らでも承りますと言ってしまいました。
しかしその結果、後から追加注文がどんどん増え、
当初の内容よりも大掛かりな作業となってしまい、
結果、金額に合わないお仕事となってしまいました。
あらかじめ、基本料や追加作業の料金を決めておくべきでした。
後悔の念と共に、以前【ナレーションの虎】で読んだ、”買い叩かれないようにするには、リサーチや経験が必要”
という言葉を思い出し、自分の準備不足を反省しました。
また、納品に行った際に次の仕事の案件を頂けたのですが、
うまく営業出来ず、他の競合相手に負けてしまい次に繋げることが出来ませんでした。
もう少し売り込み方を考えれば良かったですし、
営業論を学んでいれば結果は違ったかもしれないと悔やまれました。
他にも、企業の社長さんや制作をされている方にお会いする機会があったのですが、
名刺とボイスサンプルという必須アイテムを持ってなかった私は、
営業のチャンスを逃してばかり。惜しい事をしてきました。
バーズで習った”チャンスは前髪しかない”という言葉。本当にそうだと思います。
目の前にいくら好機がやって来ても、それを捕まえられる準備が整ってなければ、
通り過ぎるばかりで、無いのと一緒だという事を痛感しています。
そんな迷走を経て現在は、たまたま求人で見つけた介護のネット番組の制作に採用して貰うことが出来て、
レポーターとナレーションをさせて頂いています。
立ち上って間もなく、スタッフも私を含め3人という小さな番組ですが、
ようやく声の表現が出来るので、やり甲斐を感じています。
自主番組なのに、ここでも緊張病を発生して初めの頃は声が固くなり、
トーンも暗くなってしまう事が多く、”もう少しテンションを上げて欲しい”
と注意される事がありました。
そんな時は仙骨を立てたり、
こっそりエイサーワッショイと跳ね上がって緊張をほぐすようにしています。
他にも”自然体で”と言われた時は、”等身大ナレーション”を意識し、
”明るめ”に読むときはバラエティの授業を思い出しながらなど…
学校での学びを実践しています。
また、意見を言うのが苦手だったのですが、
”与え手”になれるように、原稿表現や制作のアイデアなどを
提案するようにしています。
まだまだ実力も乏しく、やっている事も小さな規模ですが、
自分なりにバーズの教えを活せるように、少しづつ進もうとしている状態です。
バーズの教えは休学中、一人になった私を励まし、支え続けてくれました。
メンタルの弱い私がなんとかやって来れたのもバーズのお陰なので、
その有り難さを身に染みて感じています。
在学中、私は良い生徒ではありませんでした。
憧ればかりが先行して、授業の教えをすぐに実践できず、
古い自分をなかなか変えられないでいました。
先日迎えたオリエンテーションでの「売れる為の17カ条」やプロとして学ぶ姿勢や自立のお話は、
ダメな例をさんざんやって来てしまった私には、非常に耳が痛かったのですが、
改めて自分の弱点を再確認する事が出来て、今度こそ克服して変わろうという決意を固めてくれるものでした。
長い遠回りとなってしまいましたが、またバーズでの学びの中から、多くのヒントを掴み、
自立したナレーターになれるよう成長していきたいと思っています。
バーズの皆様、改めてよろしくお願い致します。
乱文失礼致しました。
読んで頂いて有難うございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です