成長する時は飛んでイスタンブール

いじいじうじうじモードはさようなら。
いまふたたびの奈良、もとい、いまふたたびのモード大島です。

今回は大江戸さんの「緩急」。
ナレーションでの基本技術である、緩急高低強弱。
緩急とはつまりは「足し引き」、表現に幅を出し、変化をつけるための大切な要素を学びます。

では、どのように足し引きをするか。
思い浮かぶのは読むスピード、リズムを変えることですが、例えば二枚目キャラと三枚目キャラを使い分ける、声の太さを変えてみる、間を使ってみる・・・などなど、アプローチの方法は様々です。 数種類の原稿を使い、これぞという足し引きを考えます。

私はついつい原稿の中だけで足し引きを考えてしまいがちでしたが、テレビナレーションはあくまで映像があって初めて成立するもの。 映像が面白ツッコミポイント満載なら、坦々と、あたしゃ興味ないね!的に引きの表現をするとか、熱量のある映像をあえて綾波レイ的うつろ感で読むとか。 そんなアプローチもまた緩急であるということを知りました。
原稿の中での緩急だけではなく、映像と組み合わせた上での緩急。
より実践的に現場を見据えるモードのレッスンの難しさは、こういう表現まで考える部分にあると感じます。
大江戸さんのレッスンは二期目ですが、改めて発見、気づきがありました。

そして、最後にあったダニング=クルーガー効果の話。
私は大江戸さんのこの話を聞くと今日も腐らず練習だ!と前向きになります。
これは認知バイアスに関する理論で、初心者の頃は能力がない故に自分を過大評価してしまいがちだが、知識がつくと自分のできなさ加減に気づき落ち込みマックス、ペタマックス大盛やきそばになり、そこを抜け出すと再び上昇して正しく自分を認識し成長できるようになるというものです。 しかも、ナレーターにおいては、サンプルを録ったり現場に出たりすると、緩やかな成長ではなく覚醒して成長度が爆上がりする場合もあるのです。

バーズに入りたての頃にはわからなかった自分の位置が、徐々にトッププロと三億光年の隔たりがあることに気づき、M78星雲から助けも呼べない距離であることを知り、それでも腐らずに続けていくと光が見えてきたりして。 この話を聞くと、今日も明日もナレーションは楽しくやりたいぜと思うことができます。

できることなら、思いきりブレイクスルーしたい。
成長よ、おいでイスタンブール。

土曜モード 大島